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執筆者の写真Teppei Ida

減薬に関する考察:ケーススタディを通じて

先日、ケアマネジャーの更新研修に参加しました。この研修では、認知症や心疾患、脳血管疾患、誤嚥性肺炎などのテーマについて事例検討が行われます。各グループに分かれ、それぞれの参加者が持参した事例を発表し、意見を交わすスタイルです。


今回は、その中で「減薬が可能なのでは?」と感じた事例についてご紹介します。




ケース概要


患者さんは93歳女性で、特別養護老人ホーム(特養)に入居されています。好きな食べ物を楽しみたいとの希望があるものの、誤嚥のリスクがあり、食事や飲み物に制限がある状況です。詳細な情報は割愛しますが、注目したのはこの方が服用している薬でした。


服用薬:

• フェロミア顆粒83.3% 1.2g(1日1回朝食後)

• ランソプラゾールOD錠15mg(1日1回夕食後)


さらに、「リクシアナが中止された」との記載もありました。


私が質問したのは、以下の点です:

「貧血の程度はどのくらいですか?」

これに対する担当者の回答は「わからない」というものでした。


減薬の可能性について考える


なぜこの質問をしたのかというと、誤嚥のリスクがある患者さんの場合、貧血の程度がそれほどひどくなければフェロミア顆粒の減量、もしくは中止が可能かもしれないと考えたからです。


現在、この患者さんは2剤しか服用しておらず、一般的に見れば多剤服用ではありません。しかし、それでも不要な薬があれば減らすべきです。薬を減らすことで、患者さん誤嚥のリスクを軽減し、生活の質を向上させる可能性があります。


減薬を進める上での重要ポイント


今回のケースを通じて改めて感じたのは、特養のような医師や看護師が常駐する施設でも、まだ減薬の余地があるということです。減薬を進めるためには以下のステップが重要だと考えます:

1. 患者の状態を正しく把握する

病状や生活の状況を詳細に確認することが第一歩です。

2. 患者と家族の希望を確認する

薬に対する思いや希望をしっかりと聞くことで、信頼関係が構築されます。

3. 薬効、副作用、相互作用を評価する

服用中の薬について、AIなどのツールを活用して迅速に確認することが可能です。

4. 剤型や用量を見直す

必要があれば調整を提案し、患者の負担を軽減します。


ただし、患者の状態把握や希望の確認は、人の手で行わなければならない重要なプロセスです。ここを丁寧に行うことで、不必要な薬を減らす可能性が広がります。


減薬を実現するために


減薬を成功させるためには、医師や看護師との連携が欠かせません。そして薬剤師の専門的な意見を取り入れることで、より安全で効果的な減薬が可能となります。


今後もこのようなケースを積極的に検討し、患者さんの生活の質向上につながる減薬の可能性を追求していきたいと思います。


次回のブログでは、さらに詳しい事例や減薬に関する知識をご紹介します。お楽しみに!

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